本会議で政策を提言する
県当局と協議を重ね実現の道筋を作る
■静岡県議会 平成25年9月定例会 本会議質問の風景

■静岡県議会 平成25年9月定例会 本会議質問の風景

1.地方行政は地域経済のシンクタンクへ


 平成25年8月の静岡県世論調査では、約6割が給与改善なしと回答。年末の日銀短観では、県内経営者の景況感が全国最下位と報じられ、本県ではアベノミクスの効果が極めて限定的であることが分かった。昨年10月3日、年1回の本会議、議員質問。相坂はまず『県の経済対策の進捗管理』を取り上げた。
 日銀からの貨幣供給量を増やし切れ目なく公共事業を発注するとともに、次世代産業の創出と育成にも公共投資して成長と雇用を促進し、景気回復を図ろうというのが政府の経済政策。
 これに伴った県の昨年度補正予算は420億円。うち343億円が公共事業分だ。
 相坂は質問で、『地方行政の速やかな事業発注とその進捗管理、効果分析と公表こそ、アベノミクス第4の矢と位置づけるべきだ』として、県の景気対策、公共投資の進み具合を質した。
 しかし答弁では、新産業の集積やお茶や食の都づくりなどの施策展開は示されたものの、景気対策として発動された公共事業については、発注率や着工割合、企業や家計への経済波及効果についての言及はなく、県行政によって追跡調査や景気分析がなされていない実態が明らかになった。
 相坂は『地方行政は今後、地域経済のシンクタンクとしての自覚と機能を備えるべき』とし、その業務構築について調査、提言していく方針である。

2.県と政令市政策連携が急務


 今年一月、知事は県職員の市町への派遣を発表した。これまで市町からの要請に応じるだけだった派遣を見直し、全県的に実施が必要であると説明。計画立案の県と現場行政の市とでは、蓄積された情報の種類や量も異なり、職員の視線も違う。
そしてこれは、政令市静岡も例外ではないはず。九月議会、二点目の質問は『県市連携』。静岡市と県との間で設置された『地域政策会議』で協議が始まった三点の主要テーマについて取り上げた。

3.県市相互の土地活用で資源の有効活用を
■日本平山頂整備イメージ図(市計画より抜粋)

■日本平山頂整備イメージ図(市計画より抜粋)


 平成22年から始まった市の『日本平公園整備事業』。計画期間は15年で、展望デッキや芝生公園を整備する方針だが、山頂部分の県有地を無償で利用できるか、を巡っては県市の議論は平行線のまま。
 相坂は質問で、『法の規制だらけで建築を伴う開発ができず、今の日本平では収益が見込めない。山頂部の土地が有償となると、それは市財政を圧迫するだけ』と指摘。特区指定による法の規制緩和に加え、県市が互いに土地を利用できる新たな取組みの必要性を述べた。
 県市それぞれが土地情報を一元化して可視化する、相互利用や等価交換を視野に財政担当者間の協議の場を設置する、ことを提言。今後は更に行政実務者とも協議を重ね、その実現に向けて可能性を探る方針である。
 さて、日本平活用の答弁には知事自らが立ち、静岡市が計画している山頂部の富士山展望回廊に、法隆寺に因んで『夢殿』と名付けてはどうかと答弁し、更に清水区駒越にある県果樹研究センターから山頂までを新たなロープウェイで結ぶという構想を市長と検討していると発表した。
 今後は、三保から久能、日本平、そして新たに整備される東名高速道新インターチェンジ、このエリア一帯の回遊性について、相坂も私案検討に入った。
4.東静岡地区、大学誘致で学生の集積を狙う


 民間のマンションや商業施設、南北幹線橋が開通するなど、少しずつ動き始めた東静岡駅周辺の街づくり。しかし肝心の県有地と市有地の整備方針は未定。外壁の落下や建設費の償還、多額の委託金による運営状況等、多くの課題を抱えるグランシップの今後の活用も含め、ここでも県市統一の目標共有が必要だ。
 静岡・清水の合併以来、市は静岡駅、東静岡駅、清水駅の三極での街づくりを進めてきた。しかし、同じ客層をターゲットにすれば、20万人の街を3つ作ることと同じ。合併効果も無ければ中核市レベルの賑わいすら実現しないのではないか。
 ビジネスと商業、歓楽街の静岡の中心地、港湾物流とウォーターフロントの清水、そして東静岡には学生の集積を図って差別化すべきだと相坂は主張、提言してきた。
 3年前、知事はこの県有地で『大学コンソーシアム構想』を打ち出しており、漸く今年3月に実現に向けた協議が始まった。
 京都大学を中心に組織されている『大学コンソーシアム京都』では、大学と短大に限らず専修学校をも含め、単位の互換性、企業との共同研究開発等が進められており、大学入学までの偏差値教育ではなく、社会を変えていく真の教育は大学でこそ必要だと、相坂も期待を寄せている。
 県内の大学定員は高校卒業生の僅か2分の1で、東京に若者を奪われるのは必然の状態。
 転出超過を防ぎ次世代に繋がる新産業を生み出すためには、多くの学生を失わないことが必要なのだ。今回の質問では、このコンソーシアムの早期実現、構想への着手を質した。

5.草薙総合運動場の活用にこそ市の協力が必要
■草薙新硬式野球場

■草薙新硬式野球場


 2020年東京オリンピック、パラリンピックのキーワードは『おもてなし』。五輪開催による誘客と街のPRを狙って、東京近郊ではこれからスポーツ合宿やイベントの誘致合戦が活発化する。本県でその拠点となるのが、リニューアル中の草薙総合運動場だ。
 硬式野球場の完成でプロ野球公式戦の誘致も視野に入ってきたが、その鍵を握るのは施設の観客動員力と街のおもてなし体制だ。
 球場までの利便性と観戦後のフォロー体制で、周辺の交通渋滞、駐車場の確保に加え、中心地歓楽街とのアクセスや宿泊施設との連携等が大切で、これは市行政の協力なしには実現しない。
 今回の質問では、様々な工夫で黒字経営を続ける広島市のマツダスタジアムを例に挙げ、草薙総合運動場の民営化を提言すると共に、市との連携強化を求めた。県は今年度から県内オリンピック候補選手の支援強化に加え、各市町のスポーツ大会や合宿開催を募る方針。
 オリンピック開催を契機にスポーツが新たな経済資源となってきた。